2020年12月18日 採用担当

エヌアセットでは年間MVP制度を設けています。2019年度の受賞者は、同じ年に入社した新卒社員・佐藤 頼人(さとうらいと)。業績・人事評価・関わる事業の将来性など総合評価により決定されるこの賞に、新人が表彰されるのは異例のことです。社会人デビューからたった1年で驚くべき成果を出した、彼の軌跡に迫ります。

街づくりに関わりたい一心で、不動産業界へ

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⼤学の卒業式での佐藤(後⽅左)。彼のすぐ前には、現在同期社員となった⼩林の姿も

大学進学で、生まれ故郷である秋田から首都圏へ居を移した佐藤。彼にとっては人生で3度目の引越しでした。

佐藤「父親の仕事の関係で、9歳まで札幌に住んでいました。その後、再び秋田に戻ったら馴染みの商店街が“シャッター通り”になっていて。こうした故郷の変化を目の当たりにしたり、まったく違うふたつの街で育った経験からなのか、漠然と『街づくりに関わりたいな』という気持ちが芽生えてきたんです」

大学では都市計画のゼミを専攻。周辺地域である神奈川県横須賀市を舞台に、フィールドワークや地域活動に取り組みました。佐藤がとりわけ心に残ったのが、4年生の時に参加した小学校でのボランティアです。教員をしている大学OBと知り合ったことが、始めるきっかけとなりました。

佐藤「私が担当したのは、歴史教育。黒船でペリーが来航した浦賀の街をテーマに、授業を行いました。

子どもたちの成長を間近に見られたり、なかなか部外者が立ち入ることのできない学校という外部者が普段はいることの内容な場所に教員側の立場で関われたり……何もかもが貴重な体験でしたね。他の先生たちも最初は『なんだこの学生は』という感じでしたが、最終的には卒業式に参列させてもらうほどに馴染みました(笑)」

「一時は教員の道に進もうか迷った」と話す佐藤。しかし「街づくりに関わりたい」という初志を貫き、不動産会社に絞って就職活動を進めました。街づくり=不動産会社と連想した理由は「その街に住まう人を増やすべく、街全体の価値を向上させる取り組みをしている」と考えたから。

佐藤「何社か会社説明会に足は運んだんですが、インターンに参加したエヌアセットがいい意味で不動産会社らしくなく、『一番入りたい』と思えた会社だったので、そのまま応募することにしました。

インターンの参加日が、偶然にも同じ大学・同じ専攻の同期生である小林奏と一緒だったことにも、運命的な何かを感じましたね」

小林は佐藤と同じくエヌアセットに応募し、採用。ふたりは大学の同期から“会社の同期”となったのです。

「なぜ成果が出ないのか」自らの接客を分析して、解決策を見出す

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株式会社エヌアセット 営業部・溝の⼝南⼝店 佐藤 頼⼈

エヌアセット入社後、佐藤は営業部賃貸仲介チームに配属されました。大学時代はひとり暮らしをしていた佐藤ですが、両親が手配したマンションに住んでいたため、不動産会社とのやりとりは皆無。加えて、接客業に苦手意識を持っていたため「お客様のニーズにうまく対応できない」というジレンマに苦しむ日々が続きました。

入社して半年が経った頃、佐藤はあることを始めます。それは、自らの接客に関する振り返りです。

佐藤「知識や経験、共感ポイントが乏しいのは、自分でもわかっていました。でも成果が出せない具体的な原因まではつかめていなかった。いつまでも『駄目だなぁ』となんとなく反省しながら、もやもやするだけでは成長できないと考えたんです」

佐藤はそれまで接してきたお客様の属性・割合、成約の可否を書き出し、次に得意・不得意なタイプの特定を試みました。そこでクリアになったのは、自分自身に最も近い単身男性のお客様にはある程度納得のいくサポートができていたものの、単身女性のお客様のニーズには応えきれておらず、ほとんど契約にこぎ着けていないことでした。

佐藤「それから特に女性のお客様に対しては『どういう提案をしたら喜ばれるんだろうか』『どういう点を留意しているんだろう』というのを自分なりに考え、よく聞かれがちな質問とその回答を綿密に準備するようにしました。例えば、ベッドや冷蔵庫を置くスペースのサイズを事前に確認しておく、とか」

データから導き出した自身の接客傾向と、そこから編み出した対策、毎日の意識がじわじわと彼の成果となって表れたのは12月頃。入社から8カ月が経過していました。

佐藤「今でも私が大切にしているのは、指導社員である江原史乃の『お客様が考えていることを先読みして、深く理解できるように努める』という言葉です。このことをおざなりにすると大抵失敗する――場数を踏みながら、日々実感しています」

オンラインだからこそ、現実とのギャップを埋める“ひと手間”を大切に

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「リモートレント」は佐藤にとって忘れられないプロジェクトの1つに

佐藤が通常業務に手応えを感じ始めた2020年12月。彼が中心となって本格始動したプロジェクトがありました。実店舗に来店することなく、Web上でお部屋探しから契約まで行える新サービスの立ち上げです。

それまで宅地建物取引業者による対面での実施が義務付けられていた賃貸借契約の重要事項説明ですが、2017年10月からはオンライン上で行う「IT重説」が可能となり、当社でも関連したサービスを展開することになったのです。

佐藤「とはいえ、営業部のメンバーは皆日々の業務に忙殺されていて、しばらく停滞していたんです。それでちょっと気になって、上長に『そういえば、あのプロジェクトってどうなったんですか?』と聞いたら、なぜかそのまま私がプロジェクトリーダーになる流れに(笑)」

このサービスの肝となるのが賃貸物件の内装・外装をくまなく撮影したVR画像です。佐藤は、他のメンバーと手分けをしながら撮影を進めていき、時にはひとりで10軒回った日もありました。

佐藤「『鍵を忘れた』『部屋が清掃されていなかった』など小さなトラブルは絶えませんでしたが『いったん撮影してしまえば、長く活用できる』と歯を食いしばって何とか乗り切りました。

それよりも辛かったのは、当初プロジェクト自体が社内であまり重要視されていなかったことでした。多くの先輩たちはきっと『1年目が何かやっているよ』ぐらいの気持ちで見ていたと思います」

多くの社員が自分事と捉えてもらうためには、取り組み内容や実例を逐一伝えていくほかない――佐藤は、チャットツールを活用しながら、プロジェクトの進捗状況を事細かに社内へ発信。すると、その数に比例して、好意的な意見や実際に力を貸してくれる人の数もどんどん増えていきました。

年が明けて2020年。新型コロナウイルスの感染拡大により、対面接客を極力回避しなければならない事態に陥り、サービス構築のスピードはさらに加速します。

そして4月。撮影した物件の数は500を超え、いよいよ新サービス「リモートレント」として提供開始されることになりました。

コロナ禍であらゆるニーズに対応したという佐藤。中でも特に印象に残っているのは、別スタッフが対応していた海外赴任から本帰国されたご夫婦のお部屋探しだったと言います。

佐藤「『入国後、2週間の隔離生活を新居で送りたい』という要望を受けて、遠隔で調整を行いました。常に意識しているのは、現実とのギャップを埋めるためにできる限りの手を尽くすこと。例えば『スーパーから物件までどんな道ですか』と聞かれたら、その道のりをグーグルマップで辿りながら、時間をかけてじっくりと説明していく。オンラインだからこそ、そうしたひと手間を大切にしたいですね」

今すべきことに尽力すれば、必然的にやりたい方向へと近づいていける

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代表の宮川とともにMVP受賞を喜ぶ佐藤。新卒⼊社1年⽬での快挙となりました

うまくいかないことがあればデータ化して分析し、とことん原因を追究する。対策を講じ、日々意識しながら成果を出す。ハードルの高い新規事業も、周囲を巻き込みながらしっかりと形にできる――こうした功績が評価され、佐藤は2019-2020年期のMVPを受賞しました。1年目の新卒社員が表彰されるのは、異例のことです。

佐藤「表彰されてすごく嬉しかったのですが、『これまで以上に活躍しないと』というプレッシャーも正直言ってかなりありますね。でも、それが選んでくれた方々への一番の恩返しになると思うので、引き続き結果を残せるようがんばりたいです」

近い将来、佐藤が携わってみたいと話すのが、営業部全体のサポート業務です。持ち前のデータ解析、活用力を活かしながら、営業活動がよりスムーズになる仕組みを整えたいと言います。

佐藤「それにはまず、自身の苦手意識を払拭するぐらいの接客業務レベルに到達したいですね。自分で腑に落ちないことがあると、何だかモゾモゾするんです(笑)」

事業領域が広く、何でもできそうな会社――インターン時に抱いたエヌアセットの印象は、入社後も全く変わらないと話す佐藤。大学時代にフィールドワークで培った経験・知見を活かして、ゆくゆくは街のキーマンたちとエリアを盛り上げる取り組みをしたいとも話します。

佐藤「そうした土壌は社内にすでにあるので、今はとにかく自分がすべきことをやる。そうすれば、必然的にやりたい方向へ近づいていけると感じています」

現状を見つめながら、今必要なことに力を注ぐ一方で、そのまなざしはいつも未来を向いている。冷静と情熱、思考力と行動力を併せ持つ佐藤は、まぎれもなく当社のホープです。